ボンボンショコラとフランスの思い出。


1/28(金)より2/14(月)までの期間限定でボンボンショコラを販売いたします。


26(水)から出店しています新宿伊勢丹のマ・パティスリーではすでに販売していますが、


浦和のパティスリー・アカシエ、アカシエ・サロン・ド・テでも販売を開始いたします。


で、ラインナップは下記の通りです。




四角いショコラを集めた4個入り
“ショコラ・キャレ・キャトル”1100円

・左上・・・スーヴニール:ジャンデュジャとレモンのガナッシュをジヴァラ40%チョコでコーティング
・右上・・・ジョルジュサンク:フランボワーズのガナッシュをエクストラビター61%チョコでコーティング
・右下・・・パン・デピス:香辛料とはちみつのガナッシュをジヴァラ40%チョコでコーティング
・左下・・・ラム・レザンネグリタ・ラム酒の効いたガナッシュをカラク56%チョコでコーティング




丸いショコラの詰め合わせ4個入り
“ショコラ・ロンド・キャトル”1100円

・左上・・・バロンドール:キャラメルサレのクリームをジヴァラ40%チョコでコーティング
・右上・・・パルファングランマルニエ酒のガナッシュをエクストラビター61%チョコでコーティング
・右下・・・フラム・パッションパッションフルーツガナッシュをホワイトチョコでコーティング
・左下・・・パレ・オール:バニラとコニャックのガナッシュをカライブ66%チョコでコーティング





6個入りの詰め合わせ
“ショコラ・セレクシオン・シス”1650円





全種類入った8個入りの詰め合わせ
“ショコラ・セレクシオン・ユイット”2200円





フタをするとこんな感じ。


アカシエでは普段ボンボンショコラは販売していないので、一年に一回この時期だけなのですが

ワタクシ個人的にはショコラの仕事はとても好きで、フランスのショコラティエ修業時代の

テクニックやレシピを、アカシエのプティガトーで表現している味の構成にアレンジした

とっておきのショコラセレクシオンなんです!



中でも、“バロン・ドール”は2003年のフランス・アルパジョンコンクールで優勝したときの

思い出の作品『ショコラ・オ・レ・キャラメル・ブール・サレ』(コンクールでは四角いカタチでした。)

と同じもので、個人的にも特に気に入っているボンボンのひとつです。









・・・フランスの修業時代・・・かぁ。

懐かしいなぁ。

毎年バレンタインのショコラをつくっていると思いだすんですよね、やっぱり。









もう今から8年前のことですが、

パリ郊外のル・パルク・ド・サン・モールという駅を降りたら

徒歩1分くらいのスグのところにあった(残念ながら今は閉店してしまいましたが)

『ラトリエ・デュ・ショコラティエ』の厨房でオーナー・ショコラティエのリオネル・ゴーヴァン氏の

アドバイスをうけながら、同年9月に行われるアルパジョンコンクールに向けて

コツコツと夜中までショコラのピエスモンテ(チョコレート工芸菓子)を作っていました。

期日はせまっていました。

エスの方は順調に組みあがってきました。ただ、このコンクールは工芸菓子だけではなく

味覚審査用のボンボンショコラを添えなくてはなりません。

なのにまだ味が決まっていない。。。

テーマは“ブルターニュ”(フランスの南西部の地方の名前)どうしたらいいんだろう。

そのとき、ゴーヴァンさんが「ブルターニュだったら塩キャラメルしかないだろう」

って言ったんです。

「それはいい!」




そして試作を何度も重ねながら出来た作品が・・・コレだ!



1・2・3!









全体像




アップ画像




この出来上がった作品を見たゴーヴァンさんはこう言ってくれました。


「アカシ!スゴイよ!これは絶対優勝間違いなしだ!」


って。





完成した翌日、ゴーヴァンさんのクルマに作品をのせてコンクール会場のアルパジョン市までの長い道のりを


ふたりで運びました。ボクは荷台で作品を押さえながら手に汗はびっしょりです。


壊れないかもうドキドキでとにかく時間が長く感じたのを覚えています。



やったぁ、無事ついた!丁寧に丁寧に会場の指定の場所に作品を置きます。

あ〜、やっと終わった〜。1ヶ月半の長い製作期間が幕を閉じあとは結果を待つだけ。






そして翌日、



ついに運命の審判のときがきました。。。






結果は・・・







ゆ、優勝だぁっ!!!


左がマダム・ゴーヴァン、右がムッシュウ・ゴーヴァン




あとから駆けつけてくれたゴーヴァン夫妻が涙をながして祝福してくれました。


いつもあまり笑わないとっつきにくいマダムが、泣きながら


「アカシ。アナタは本当に頑張った。アナタは最高の職人よ!」


そう言って抱きしめてくれたのがとても嬉しかったです。。。






・・・という8年前の出来事、毎年この時期に思い出しますね。






コンクールに出したいと言えば、快く厨房を貸してくれたり、道具を見に行きたいって言えば、

すぐにクルマで連れてってくれたり、「ストーレー」で働きたいって言えば、

その日の午後に電車で一緒に行って交渉してくれたり・・・。

そんなゴーヴァンさんが大好きで、

僕のフランス修業の中で最もかかせない大切な存在でした。

その後のストーレーも、ここの前に働いたファビヤン・ルドゥーも、もちろんいい人達ばかりだったけど、

でも、最高に感謝しているのはやっぱりゴーヴァンさんなんです。









そうそう、長い間連絡をとっていなかった、そのゴーヴァンさんから今年のお正月にメールが

届いたんです。お店を閉めたあと、どこでなにをしてるかまったくわからなかったのですが、

どうやら今はノルマンディの田舎のペンションみたいなところにいるらしいです。

今年6月にフランスに行く予定があるから、超久しぶりに会いにいってみようかな!







あ、ちなみに

これが作品にのせた『キャラメル・ブール・サレ』です。



皆さまにもショコラと共に素敵な思い出が刻まれますことを願って。。。




Akashi KYONO